都道府県別総人口ランキング(2023年度)

概要

2023年度の総務省の統計データによると、日本の総人口は前年比0.5%減の1億2,435万2千人となりました。本記事では、都道府県別の人口ランキングを分析し、日本の人口動態の現状と地域間格差について考察します。

以下の地図は、都道府県別の人口を色の濃淡で表しています。東京都を中心とした首都圏、大阪府・愛知県などの大都市圏で人口が多く、地方部では人口が少ない傾向が明確に表れています。

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上位5県と下位5県の比較

2023年の都道府県別人口ランキングを見ると、上位と下位で大きな格差があることがわかります。

人口上位5県の特徴

  1. 東京都(1位): 約1,409万人(1,408.6万人)と日本最大の人口を有し、偏差値は91.3と突出しています。東京一極集中の傾向が続いており、地方からの人口流入が継続しています。

  2. 神奈川県(2位): 約923万人(922.9万人)の人口を持ち、偏差値73.8と東京に次ぐ人口規模です。東京のベッドタウンとしての役割を持ち、比較的安定した人口を維持しています。

  3. 大阪府(3位): 約876万人(876.3万人)で、偏差値72.1と高く、関西圏の中心として一定の人口を保っています。しかし、東京圏への人口流出の影響も見られます。

  4. 愛知県(4位): 約748万人(747.7万人)で、偏差値67.5と高く、自動車産業を中心とした製造業の集積地として、地方では比較的安定した人口を維持しています。

  5. 埼玉県(5位): 約733万人(733.1万人)で、偏差値66.9と高く、東京都に隣接するベッドタウンとして、多くの人口を抱えています。

人口下位5県の特徴

  1. 鳥取県(47位): 約54万人(53.7万人)と最も人口が少なく、偏差値42.4と低くなっています。若年層の流出が続き、高齢化率も高くなっています。

  2. 島根県(46位): 約65万人(65.0万人)で、偏差値42.8と低く、過疎地域が多く、若年層の県外流出が課題となっています。

  3. 高知県(45位): 約67万人(66.6万人)で、偏差値42.8と低く、高齢化率が高く、若年層の流出が続いています。

  4. 徳島県(44位): 約70万人(69.5万人)で、偏差値43.0と低く、四国地方全体で人口減少が進んでいます。

  5. 福井県(43位): 約74万人(74.4万人)で、偏差値43.1と低く、北陸地方でも人口減少が進んでいる県の一つです。

地域別の人口動態の特徴

東京圏への一極集中

東京都は約1,409万人と突出した人口を持ち、偏差値も91.3と他県を大きく引き離しています。神奈川県(約923万人、偏差値73.8)、埼玉県(約733万人、偏差値66.9)、千葉県(約626万人、偏差値63.0)と合わせた東京圏は日本の人口の約30%を占めており、一極集中が顕著です。

地方の人口状況

北海道は約509万人で全国9位、偏差値58.8と比較的高い人口を維持していますが、面積に対する人口密度は低く、過疎化が進む地域も多くあります。東北地方では宮城県が約226万人(14位)と最も多く、秋田県は約91万人(39位)と最も少なくなっています。

大都市圏の動向

大阪府を中心とする関西圏(大阪府、兵庫県、京都府)や愛知県を中心とする中部圏も一定の人口集積がありますが、東京圏と比較すると規模が小さくなっています。特に大阪府(約876万人、3位)と兵庫県(約537万人、7位)は関西の二大人口県となっています。

九州・四国地方の状況

九州では福岡県が約510万人で全国8位、偏差値58.9と高い数値を示しており、九州の中心的役割を担っています。一方、四国地方は全県が人口130万人以下で、特に高知県(約67万人、45位)と徳島県(約70万人、44位)の人口は少なくなっています。

人口規模による地域間格差

人口規模の差は様々な地域間格差を生み出しています:

  • 経済規模の格差: 東京都(1位)と鳥取県(47位)では人口に約26倍の差があり、経済規模や消費市場にも大きな差が生じています。

  • 公共サービスの維持: 人口30万人未満の県では、効率的な公共サービスの提供が難しく、一人当たりのインフラ維持コストが高くなる傾向があります。

  • 高齢化率の差: 人口減少が進む地方では高齢化率が40%を超える地域も多く、都市部との年齢構成の差が拡大しています。

人口統計の基本情報

都道府県別の人口データを統計的に分析すると、以下のような特徴があります。

統計データから見る人口分布の特徴

  • 平均値と中央値の差: 平均人口は約264万人ですが、中央値は約150万人と大きな差があります。これは東京都や大阪府などの人口が突出して多い都道府県が平均値を引き上げているためです。

  • 標準偏差の大きさ: 標準偏差が約273万人と非常に大きく、都道府県間の人口格差が著しいことを示しています。

  • 分布の歪み: 最小値(鳥取県の約54万人)と最大値(東京都の約1,409万人)の差が非常に大きく、人口分布が正規分布ではなく、右に大きく歪んでいることを示しています。

  • 四分位範囲: 第1四分位数(約93万人)と第3四分位数(約270万人)の差も大きく、中間層の都道府県の間でも人口規模に大きな差があることがわかります。

人口規模に応じた地域振興策

人口規模に応じた効果的な地域振興策が求められています:

大都市圏(東京、大阪、名古屋など)

  • 過密対策: 人口集中による住宅不足や通勤混雑の緩和
  • 子育て環境の整備: 待機児童問題の解消、仕事と育児の両立支援
  • 災害リスク分散: 一極集中によるリスクを軽減するための機能分散

中規模都市圏(県庁所在地など)

  • 産業集積の強化: 地域の強みを活かした産業クラスターの形成
  • 高等教育機関との連携: 地元大学と連携した人材育成と定着
  • 広域連携: 周辺市町村との連携による効率的な行政サービスの提供

小規模市町村

  • 地域資源の活用: 観光、農林水産業など地域資源を活かした産業振興
  • スマート化: ICTを活用した効率的な行政サービスの提供
  • コンパクトシティ化: 人口規模に合わせた効率的なまちづくり

まとめ

2023年度の人口データは、日本の人口分布の不均衡と地域間格差を明確に示しています。東京都の人口は約1,409万人(偏差値91.3)と突出しており、最も人口の少ない鳥取県の約54万人(偏差値42.4)との間には大きな開きがあります。

この人口格差は単なる数の問題ではなく、経済力、行政サービス、インフラ整備など多方面に影響を及ぼしています。今後の日本社会では、人口減少を前提としながらも、各地域がその規模や特性に応じた持続可能な発展モデルを構築していくことが求められています。

人口規模の大小にかかわらず、それぞれの地域が持つ強みを最大限に活かし、地域間の連携を強化することで、バランスの取れた国土形成を目指すことが重要です。

出典