都道府県別平均気温ランキング(2023年度)

概要

平均気温は、その地域の気候を表す最も基本的な指標の一つです。この記事では、2023年度の都道府県別平均気温のランキングを紹介します。

日本は南北に長い国土を持ち、亜熱帯から亜寒帯まで多様な気候帯に属しています。そのため、都道府県によって平均気温に大きな差があります。この温度差は、地理的位置、標高、海流の影響、都市化の程度など様々な要因によって生じています。

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上位県と下位県の比較

平均気温が高い上位5県

2023年度の平均気温ランキングでは、沖縄県が**23.8℃(偏差値84.5)**で全国1位となりました。沖縄県は日本最南端に位置し、亜熱帯海洋性気候に属するため、年間を通じて温暖な気候が特徴です。

2位は鹿児島県19.5℃(偏差値63.3)、3位は福岡県18.5℃(偏差値58.4)、4位は宮崎県18.4℃(偏差値57.9)、5位は長崎県で**18.3℃(偏差値57.4)**となっています。上位5県はいずれも九州・南西諸島に位置しており、温暖な気候帯に属していることがわかります。

平均気温が低い下位5県

最も平均気温が低かったのは北海道で**11.0℃(偏差値21.4)**でした。北海道は日本最北端に位置し、亜寒帯気候の特徴を持つため、他の都道府県と比べて気温が低くなっています。

46位は岩手県12.5℃(偏差値28.8)、45位は青森県12.6℃(偏差値29.3)、44位は長野県13.6℃(偏差値34.2)、42位タイは秋田県山形県で**13.7℃(偏差値34.7)**となっています。下位県は東北地方と長野県(内陸の高地)が占めており、緯度が高いことや標高の影響が見られます。

地域別の特徴分析

南北の気温勾配

日本の平均気温は南から北に向かって低下する傾向が明確に見られます。最南端の沖縄県(23.8℃)と最北端の北海道(11.0℃)の差は12.8℃にも達します。この南北の気温勾配は、緯度による日射量の違いが主な要因です。

太平洋側と日本海側の違い

同じ緯度帯でも、太平洋側と日本海側で気温特性に違いが見られます。一般的に、太平洋側は黒潮(暖流)の影響を受けて比較的温暖である一方、日本海側は冬季に寒冷な季節風の影響を受けやすい傾向があります。例えば、太平洋側の千葉県(18.1℃)と同緯度帯の日本海側の新潟県(15.4℃)では約2.7℃の差があります。

内陸部と沿岸部の違い

海に囲まれた日本では、内陸部と沿岸部で気温特性に違いがあります。一般に、沿岸部は海洋の影響で気温の年較差(一年の最高気温と最低気温の差)が小さく、内陸部は気温の年較差が大きくなります。長野県(13.6℃)のような内陸の高地は、標高の影響もあって平均気温が低くなっています。

気温の地域格差と影響

気温格差の要因

都道府県間の気温格差は、主に以下の要因によって生じています:

  1. 緯度:南北に長い日本列島では、緯度による日射量の違いが気温差の主要因です。
  2. 海流の影響:黒潮(暖流)や親潮(寒流)の影響を受ける地域では、気温が変化します。
  3. 標高:高地は低地よりも気温が低くなる傾向があります。
  4. 都市化の程度:ヒートアイランド現象により、都市部は周辺地域よりも気温が高くなります。

気温が生活や産業に与える影響

平均気温の違いは、地域の生活様式や産業構造にも大きな影響を与えています:

  • 農業:気温は作物の生育に直接影響するため、地域によって栽培される農作物が異なります。
  • エネルギー消費:寒冷地では暖房需要が、温暖地では冷房需要が高くなり、エネルギー消費パターンに違いが生じます。
  • 観光業:気候特性は観光資源となり、沖縄のような温暖な地域では通年型のリゾート観光が、北海道のような寒冷地では冬季のスキーリゾートが発展しています。
  • 健康:気温は熱中症や低体温症などの健康リスクに関連しており、地域によって対策の重点が異なります。

統計データの基本情報と分析

統計的特徴の分析

2023年度の都道府県別平均気温データを統計的に分析すると、以下のような特徴が見られます:

  1. 平均値と中央値の比較:平均値は16.7℃、中央値は17.0℃とほぼ同じ値を示していますが、わずかに平均値が低いことから、分布がやや低温側に偏っていることがわかります。

  2. 分布の歪み:沖縄県(23.8℃)と北海道(11.0℃)は他の都道府県と比べて特に高い/低い値を示しており、これらの外れ値が分布の形状に影響を与えています。沖縄県を除くと、分布はより対称的になります。

  3. 外れ値の特定:沖縄県の23.8℃は、2位の鹿児島県(19.5℃)と比べても4.3℃も高く、明らかな外れ値と言えます。同様に、北海道の11.0℃も他の都道府県と比べて特に低い値です。

  4. 四分位範囲による分布の特徴:第1四分位数(Q1)は15.2℃、第3四分位数(Q3)は18.1℃で、四分位範囲(IQR)は2.9℃です。これは、中央の50%の都道府県の平均気温が15.2℃から18.1℃の間に収まっていることを示しています。

  5. 標準偏差によるばらつき:標準偏差は2.5℃で、多くの都道府県が平均値から±2.5℃の範囲内に分布していることを示しています。変動係数(標準偏差÷平均値)は約15%であり、相対的なばらつきは中程度と言えます。

まとめ

2023年度の都道府県別平均気温ランキングでは、沖縄県が23.8℃で1位、北海道が11.0℃で47位となりました。上位には九州・南西諸島の県が、下位には東北地方の県と長野県が並んでいます。

日本の平均気温は南北の緯度差による影響が大きく、さらに海流、標高、都市化の程度などの要因によって地域差が生じています。この気温の地域差は、農業、エネルギー消費、観光業、健康など様々な面で人々の生活や産業に影響を与えています。

統計分析からは、沖縄県と北海道が特異な値を示す一方、他の多くの都道府県は比較的狭い温度範囲に分布していることがわかります。しかし、最高値と最低値の差は12.8℃にも達し、日本国内でも気温環境に大きな地域差があることが確認できます。

出典