都道府県別平均相対湿度ランキング(2023年度)

概要

平均相対湿度は、大気中の水蒸気量が飽和水蒸気量に対してどの程度の割合かを示す指標です。この記事では、2023年度の都道府県別平均相対湿度のランキングを紹介します。

日本の平均相対湿度は地域によって大きく異なり、海に囲まれた島国である日本では比較的高い湿度を示す地域が多くなっています。湿度は気温や地形、海からの距離などの影響を受けるため、地域ごとに特徴的なパターンが見られます。

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上位県と下位県の比較

平均相対湿度が高い上位5県

2023年度の平均相対湿度ランキングでは、沖縄県、青森県、岩手県、山口県が同率1位となり、いずれも**77%(偏差値64.7)**を記録しました。これらの県は海に囲まれているか、日本海と太平洋の両方の影響を受ける地理的特徴があります。

5位には宮崎県、秋田県、福井県、島根県が同率で**76%(偏差値62.4)**となっています。上位県は日本海側や太平洋側の沿岸部に位置する県が多く、海からの湿った空気の影響を強く受けていることがわかります。

平均相対湿度が低い下位5県

最も平均相対湿度が低かったのは群馬県59%(偏差値22.2)でした。次いで広島県61%(偏差値26.9)岐阜県が**64%(偏差値34.0)**と続きます。

下位県には内陸部に位置する県が多く、海からの湿った空気の影響を受けにくい地理的特徴があります。特に群馬県は関東平野の北西部に位置し、周囲を山に囲まれた内陸性気候の特徴を持っています。

地域別の特徴分析

日本海側と太平洋側の違い

日本海側の県(新潟県、富山県、石川県、福井県など)は概して湿度が高い傾向にあります。これは冬季に日本海から吹き込む湿った季節風の影響を受けやすいためです。特に福井県(76%)や新潟県(75%)は上位に位置しています。

一方、太平洋側の県は地域によって差があります。東北の太平洋側(岩手県など)は湿度が高い一方、関東の太平洋側(千葉県67%、神奈川県67%)は比較的低めの数値となっています。

内陸県の特徴

内陸に位置する県は概して湿度が低い傾向にあります。群馬県(59%)、山梨県(66%)、長野県(74%)などがその例です。ただし、長野県は標高が高く山岳地帯が多いため、他の内陸県と比べると比較的湿度が高くなっています。

離島・半島部の特徴

沖縄県(77%)や鹿児島県(73%)など、離島や半島部を多く含む県は海洋性気候の影響を強く受け、湿度が高い傾向にあります。特に沖縄県は亜熱帯海洋性気候に属し、年間を通じて湿度が高いことが特徴です。

湿度の地域格差と影響

湿度の地域格差

最も湿度が高い沖縄県・青森県・岩手県・山口県(77%)と最も低い群馬県(59%)の差は18ポイントあり、日本国内でも湿度環境に大きな地域差があることがわかります。この差は気候や地形、海からの距離など様々な要因によって生じています。

湿度が生活や産業に与える影響

湿度の高低は人々の生活や産業に様々な影響を与えます。湿度が高い地域では、夏季の不快指数が上昇しやすく、熱中症リスクが高まる傾向があります。また、カビや結露の問題も発生しやすくなります。

一方、湿度が低すぎる地域では、乾燥による健康被害(喉や皮膚の乾燥など)や静電気の発生が問題となることがあります。また、農業においては作物の種類によって適切な湿度条件が異なるため、地域の湿度特性は農作物の選定にも影響します。

統計データの基本情報と分析

統計的特徴の分析

2023年度の都道府県別平均相対湿度データを統計的に分析すると、以下のような特徴が見られます:

  1. 平均値と中央値の比較:平均値は71.1%、中央値は72.0%とほぼ同じ値を示しており、データの分布はほぼ対称的であることがわかります。

  2. 分布の歪み:平均値が中央値よりもわずかに低いことから、若干の負の歪み(低い値に偏り)があると考えられますが、その差はごくわずかです。

  3. 外れ値の特定:群馬県(59%)と広島県(61%)は、他の県と比べて特に低い値を示しており、統計的に見ると外れ値と考えられます。これらの県を除くと、全体の分布はより均一になります。

  4. 四分位範囲による分布の特徴:第1四分位数(Q1)は68.0%、第3四分位数(Q3)は75.0%で、四分位範囲(IQR)は7.0%です。これは、中央の50%の県の湿度が68%から75%の間に収まっていることを示しています。

  5. 標準偏差によるばらつき:標準偏差は4.5%で、多くの県が平均値から±4.5%の範囲内に分布していることを示しています。変動係数(標準偏差÷平均値)は約6.3%であり、相対的なばらつきは小さいと言えます。

まとめ

2023年度の都道府県別平均相対湿度ランキングでは、沖縄県、青森県、岩手県、山口県が同率1位(77%)となりました。これらの県は海洋の影響を強く受ける地理的特徴を持っています。一方、最も湿度が低かったのは群馬県(59%)で、内陸性気候の特徴が表れています。

日本の平均相対湿度は地域によって大きく異なり、日本海側や離島部では高く、内陸部では低い傾向があります。この地域差は気候、地形、海からの距離など様々な要因によって生じており、人々の生活や産業にも影響を与えています。

湿度データの統計分析からは、日本全体の湿度分布はほぼ対称的であり、極端な外れ値を除けば比較的均一であることがわかります。しかし、最高値と最低値の差は18ポイントあり、地域によって湿度環境に明確な違いがあることも確認できます。

出典