概要
年齢調整死亡率(65歳以上)とは、65歳以上の高齢者人口における死亡率を、年齢構成の違いを調整して比較できるようにした指標です。この記事では、2022年度の都道府県別年齢調整死亡率(65歳以上)のランキングを紹介します。
年齢調整死亡率は、単純な粗死亡率と異なり、各年齢層の人口構成の違いを調整するため、地域間の健康水準や医療環境を公平に比較できる重要な指標となります。この値が低いほど、その地域の高齢者の健康水準が高いことを意味します。
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上位県と下位県の比較
年齢調整死亡率が低い上位5県
2022年度の年齢調整死亡率(65歳以上)ランキングでは、滋賀県が36.72(偏差値69.6)で全国1位となりました。
2位は埼玉県で37.10(偏差値67.7)、3位は千葉県で37.40(偏差値66.2)、4位は神奈川県で37.51(偏差値65.7)、5位は奈良県で37.72(偏差値64.6)となっています。
年齢調整死亡率が高い下位5県
最も年齢調整死亡率が高かったのは秋田県で44.93(偏差値29.1)でした。
46位は青森県で44.11(偏差値33.1)、45位は高知県で43.98(偏差値33.7)、44位は岩手県で43.75(偏差値34.9)、43位は山形県で43.59(偏差値35.7)となっています。
地域別の特徴分析
東北地方の状況
東北地方では、秋田県(47位、44.93)、青森県(46位、44.11)、岩手県(44位、43.75)、山形県(43位、43.59)、福島県(41位、43.03)と、宮城県(11位、38.90)を除いて全ての県が下位に位置しています。
関東・甲信越地方の状況
関東・甲信越地方では、埼玉県(2位、37.10)、千葉県(3位、37.40)、神奈川県(4位、37.51)、東京都(13位、39.15)など、首都圏の都県は総じて低い死亡率を示しています。新潟県(31位、41.62)や群馬県(32位、41.73)は中程度からやや高めの死亡率となっています。
近畿地方の状況
近畿地方では、滋賀県(1位、36.72)が全国でトップの低い死亡率を示しています。また、兵庫県(7位、38.16)、京都府(9位、38.66)も比較的低い値となっています。一方、和歌山県(42位、43.35)は比較的高い死亡率となっています。
九州・沖縄地方の状況
九州・沖縄地方では、沖縄県(6位、38.03)が低い死亡率を示す一方、宮崎県(39位、42.49)や鹿児島県(38位、42.32)は比較的高い値となっています。福岡県(10位、38.76)は比較的低い死亡率となっています。
年齢調整死亡率の地域間格差
年齢調整死亡率(65歳以上)の地域間格差は、最も低い滋賀県(36.72)と最も高い秋田県(44.93)の間には約8.21ポイントの差があります。
統計データの基本情報と分析
統計的特徴の分析
2022年度の都道府県別年齢調整死亡率(65歳以上)データを統計的に分析すると、以下のような特徴が見られます:
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平均値と中央値の比較:データの平均値は約40.53、中央値も約40.52とほぼ同じ値を示しています。
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分布の特徴:秋田県(44.93)や青森県(44.11)などの高い値と、滋賀県(36.72)や埼玉県(37.10)などの低い値があります。
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四分位範囲による分布の特徴:第1四分位数(Q1)は約38.76、第3四分位数(Q3)は約42.32で、四分位範囲(IQR)は約3.56ポイントです。これは、中央の50%の都道府県の年齢調整死亡率が38.76から42.32の間に収まっていることを示しています。
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最高値と最低値の差:最高値と最低値の差は8.21ポイント(44.93−36.72)に達しています。
まとめ
2022年度の都道府県別年齢調整死亡率(65歳以上)ランキングでは、滋賀県が36.72で1位、秋田県が44.93で47位となりました。上位には滋賀県、埼玉県、千葉県などの都県が多く、下位には秋田県、青森県、高知県などの県が多く見られました。
統計分析からは、秋田県が最も高い年齢調整死亡率を示す一方、滋賀県が最も低い年齢調整死亡率を示していることがわかります。また、多くの都道府県は38.76から42.32の範囲に集中しています。
年齢調整死亡率が低い地域は、医療アクセスの良さ、健康増進施策の充実、生活習慣の違いなどが影響している可能性があり、今後さらなる調査研究が期待されます。